オリジナル作品・ネタ

天海陸地

第一話〜人間界〜

平凡な毎日に飽きてきていた主人公「凛」の家に、ある夜翼の生えた男が窓ガラスを割って飛び込んでくる。
彼は天界人で、「フレディ」といい、空を散歩していたら間違ってここへ入り込んできてしまったらしい。

フレディが言うには、天界には「おきて」があり、その掟によると、人間に姿を見られてしまった場合は
口止めのためにその相手を殺すか、結婚しなければならないらしい(良くある話だ ^^;)
だから、今日のことは決して人には言ってはイケナイと念を押してからその夜帰っていくのだが……

次の日、凛は唯一の友人である「さき」の彼氏が何者かによって殺されたことを知る。
さきは、彼が昨日「天界人らしき人を見た」と言っていたことを凛に話す。
それを聞いて凛は、フレディがさきの彼を殺したのだと思い、さきにフレディのことを話してしまう。

その日の帰り道、凛のところにフレディがやってきて、昨日のことが天界にバレたと言う。
そして実はさきは天界人だったのだということを聞かされる。
さきによって二人が会ったことが知られてしまった以上、凛が死ぬことになるか、
又はフレディと結婚しなければならなくなった。

考える時間をもらった凛は、次の日、クラスメイトの「愛理(あいり)」から、彼女が天界人で、フレディの妹であることと、
フレディは凛のことをちゃんと考えていると、意味深なことを告げられる。

その夜、凛の返事を聞きに来たフレディは、凛が答える前に、今までのことは全て仕掛けられたことだと告白する。
自分が凛の家に間違って飛び込んだこと、さきの彼が殺されたことは全てここに到達するための嘘だと言う。
事の真相は、フレディが天界から人間界を見ているときに偶然凛を見つけ、その時凛に一目惚れして
いつか告白しに行こうと考えていた所に、両親から「許嫁がいた」という話を聞かされたため
許嫁と結婚するという方向に、一気に話が進んでしまったので、人間界にいる天界人で、フレディの知り合いの
「さき」に頼んで一芝居してもらって、天界の掟を上手く使い、許嫁を解消するといういきさつだったのだ。
掟は絶対なので、たとえ許嫁がいたとしても、掟により人間と結婚することになれば、
その約束は解消されるからである。

その後凛はフレディの心に打たれて、しかしその時まだ17才と年齢が若かったため
フレディとは婚約すると言う形で、二人で人間界に暮らす事になったのだった。

第2話〜海底海〜

凛の家で一緒に暮らすことになったフレディは、凛の通っているという学校に興味を持ち、
自分も凛と通いたいと言い、上手い具合に転入できることになった。
天界人は年齢より若く見られるため、フレディは凛と同学年として転入し、「竜一」という人間名を持つことになった。

そしてそんなある日、フレディは凛を海へと飛んで連れて行ってくれる。
海の真ん中にある岩場に降り立つと、そこに人魚が現れる。
彼女は「リミエル」と言って、フレディの古くからの友達であり、海底人だった。
また、天界人と海底人は仲が良いのだ。

フレディに紹介された凛とリミエルはお互い親しくなり、リミエルは海底界を案内してくれると言い、二人にウロコを渡す。
このウロコには特別な力があり、一枚飲み込むと5時間は海に潜ってられると言うもので、
天界人が海底界へ来る時に使われるものだ。

凛は海底界の美しさに圧倒され、三人で楽しいひとときを楽しんだ。
しかしちょうどその時、もう一つの世界で何かが起ころうとしているのを、誰も気付いてはいなかった。

第三話〜地底界〜

ある夜凛が目を覚ますと、フレディに抱かれて海の上を飛んでいた。
海底界に異変が起こったと聞いて、フレディは慌てて寝ている凛をそのまま連れてきたのだった。
先日リミエルと会った岩場に降りると、凛はフレディから、あのウロコをもらい、そして二人で海底界へと降りていった。

海底界に付くと、海底人達が何者達かと激しく争っており、殆どの場所が占領されていた。
二人が中央にある神殿に着くと、そこには、つかまったリミエルがいた。

海底界を襲ったのは地底人達だった……。
地底人達は遥か昔、その先祖が海底界から追い出された時の恨みを晴らすべく、海底界を襲ったのだ。
しかしそこで凛とフレディは、リミエルを人質に取る地底界のリーダー「ファドゥー」を説得し、
海底界を解放する代わりに、ファドゥーに人間界を案内すると言う約束をした。
(ファドゥーその他の地底人は地底界と海底界以外の世界を見たことが無く、特に人間界に興味があった)

第四話〜人間界〜

ファドゥーは凛の家に少しの間ホームステイすることとなったが、そのまま人間界が気に入ってしまい、
凛の家に住まわせてもらうことになった。
ファドゥーも凛と同じ高校へ転入し、「密」という人間名を持った。
もちろん、「女」として生活することになる。
実はファドゥーが学校へ転入したと同時にリミエルも転入してきて、(多すぎ^^;)計四人で凛の家に住むこととなった。
その事について凛の母は、特に何も言わず、家を凛達に譲って、自分は実家へ住むことにした。

そしてその年の夏、みんなで海へ行ったとき、凛とリミエルは大いに楽しんでいたのだが、
一緒について来たファドゥーは余り乗り気じゃなかった(女物の水着だから 笑)
そしてビーチに似合わない変わった子。黒いマントに身を包んだ女の子に気を引かれて、
その子と話をするのだが、彼女はファドゥーが男だと言うことを分かっていて、地底人だと言うことも知っていた。

彼女、利沙は、実はこのビーチも、あのホテルも所有している大企業の若社長さんだった!
人間界一の大富豪なのである。
そしてまた不思議な力を持っており、誰がどの世界の人物か見分ける能力もあったりするのだ。

そしてお互い不思議な存在に気を引かれ合った二人は仲良くなり、利沙は凛達を自分の経営しているホテルに
タダで泊めてくれるのだった。
これが切っ掛けで、凛達と利沙の交友関係が始まり、ファドゥーはと言うと、利沙の家に早くも同居することになった。

第五話〜神界と邪界〜

ある日の夜、凛がお風呂から出てくると、そこに男が立っていた。
男の名前はシンフォニー。神界人である。
シンフォニーは、天、海、陸、地以外の世界、邪界と神界があることを凛に説明し、その邪界と言うところから、
凛を殺しに男がやってくるので、自分は神界から使いで凛を守るためにやってきたと告げる。

神界では、邪界が異世界に悪影響を与えようとすることを防ぐために見張っているのだ。

シンフォニーは凛以外のものには見えないように自分の姿を消し、守っていたのだが、
ある日の帰りに、とうとう邪界からの刺客、ヘルがやってきて、凛を差し出すことを強制する。
しかし、ファドゥーが反抗したことに対してヘルは怒り、利沙を人質に連れて行ってしまう。

ヘルの呼び出しで邪界の門(人間界と邪界の境に有る門)へ行くと、利沙を助けるために
ファドゥーが凛だと言うことにして、一時ヘルに捕まり、利沙が解放されると、ファドゥーは
油断したヘルに拳を決め、逃げだす。そしてヘルは一旦邪界へと引き返す。

このヘルとの出会いによって、リミエルはココでヘルに一目惚れするのだった。
しかし、次の日の夜に、こっそり付けてきたヘルによって凛の家がバレてしまい、連れさらわれてしまう。

邪界のある場所で凛は拘束されているのだが、ヘルがその場から離れるとアシッドと名乗る邪界の王がやってくる。
彼女が言うには、凛の存在を上手く利用してヘルを殺してやろうという計画だったので、
凛があっさり捕まってきてしまっては困るのだ。
そしてアシッドは凛を逃がすのだった。

凛は慌てて邪界から逃げ帰ると、地獄の門には凛を助けに来たみんながいた。
そこで凛は、みんなに、命を狙われているのは、実は自分じゃなく、あのヘルだと言うことを話す。
そしてその時ちょうど、凛が逃げたことを知って追ってきたヘルに、アシッドの言っていたことを告げるのだった。

要はこうである。
以前は、イーリアスという王が邪界を支配していた。そしてアシッドは、王位を狙っていた。
しかしイーリアスは不死身なので殺すことが出来ず、
彼女を封印することで自ら王位に就くことが出来たのだった。

ヘルは、そんな元王イーリアスの息子で、大いに優れた能力を持っていたので、
アシッドはいつ自分の王位を奪われるか怖れ、
ちょうど人間界で、異世界を往き来している厄介な人物、凛の存在を利用し、
凛が邪界へも介入してくる怖れがあると言う理由で、ヘルに殺すことを命令した。

しかし邪界人が異界人に対して不正なことを行おうとすることを神界が見逃すはずはない。
現にこうしてシンフォニーは派遣されてきた。
それを利用し、ヘルの行為を邪魔させ、その命令を失敗させることによって、ヘルに罪をとがめて殺すことが出来た。
実際ヘルという奴は、約束は守る、と言う(顔に似合わず)正直者な所があったので、これで充分だった。
実力では勝てるはずもないからである。

だが、凛からアシッドのたくらみを聞かされたことに対し、ヘルの返事はこうだった。
「知っている」
ヘルはそんな愚かなアシッドよりもよっぽど頭が良かった。
そうして、逆にヘルによってアシッドは殺され、邪界の王はヘルになったのだった。